ではフローラの質を高めるにはどうしたらよいのでしょうか。それには二つの方法があります。
まずひとつはビフィズス菌などの有用菌そのものを送り込む方法で、ヨーグルトや乳酸菌製剤がこれにあたり、プロバイオティクスと呼ばれる方法です。 もうひとつの方法は菌そのものではなく有用菌を増やすエサを送り込む方法で、食物繊維やお味噌などの発酵食品がこれにあたり、プレバイオティクスと呼ばれる方法です。 ちなみにペニシリンなどの医薬品は病原菌だけでなく有用菌も殺してしまうので、アンチバイオティクス(抗生物質)と呼ぶのです。 便秘やアレルギーでお悩みの方は、野菜入りのお味噌汁を毎日摂ることをお勧めします。(高価な健康食品は必要ありません。) ごはんとお味噌汁、それに漬けもの(発酵食品)といった何でもない食事が、実は真の「健康食」なのです。 #
by yashihaS
| 2007-07-17 11:59
| エコロジカルメディスン
植物は光合成によって自ら栄養素を作ることができますが、動物であるヒトにはそれができないので植物を食べなければなりません。
とりあえずは動物を食べても良いのですが、その動物は動物だけでは生きていけないので結局は植物を食べなければならないのです。 植物が独立栄養生物と呼ばれ、動物が従属栄養生物と呼ばれるのはこのためです。 要するに植物の方が動物より強いし偉いのです。 (だって植物は動物を食べませんから…。) ところでヒトの町内、いや腸内には100種100兆の菌が住みついていて、栄養素の吸収に関与しています。この菌を腸内細菌と言いますが、多様な菌のあり様をお花畑に例えてフローラとも呼びます。 このフローラの質、つまり腸内環境が悪化するとアレルギーなどのトラブルが生じやすくなります。 実は皮膚にもフローラは存在していて、手作りハーブ化粧品の効果の発現にも一役買っているのです。 こうしてみると植物(生産者)と動物(消費者)の間には菌(分解者)の存在が不可欠なようです。 菌は目に見えないので普段はその存在を忘れがちですが、菌こそがヒトの美容と健康を司る影の立役者なのです。 #
by yashihaS
| 2007-05-07 15:26
| エコロジカルメディスン
ヒトの身体を大地に根ざした植物に例えてみましょう。そして今、その植物に害虫がついてしまったと仮定します。
その害虫に対して殺虫剤を使用する方法は、感染症に対して抗生物質を投与する方法に例えられます。また、害虫につかれた葉や小枝を摘み取ってしまうやり方は外科手術といったところでしょうか。 どちらのやり方も緊急避難的には有効で害虫を遠ざけることはできますが、同時に他の部分にもダメージを与えてしまうことになります。 これに対して堆肥などで土壌を改良するやり方が養生にあたります。遠回りのようですが、土が元気になれば虫もつきにくくなるのです。 アンドルー・ワイル博士の一連の著書の翻訳者である上野圭一さんは自分の身体を「庭」に、自分自身をその「世話役」に見立てる考え方を紹介しています。 「庭」の世話を専門家である「庭師」に全て任せるわけにはいきません。そしてこの「庭」の所有者は「私」ではなく、「私」が自然界から無償で貸し与えられたものなのです。 ですから、いずれこの「庭」をなるべく良い状態で返却しなければならないのです。 #
by yashihaS
| 2007-04-27 17:01
| エコロジカルメディスン
19世紀のフランスの実験生理学者クロード・ベルナールは体の内側を「内部環境」と捉え、それをテライン(土壌とか地球の意味)と名づけました。実際、体の中は60〜70%が水ですから海に細胞がプカプカ浮いているようなものですね。
そしてベルナールは病気の真の原因はこのテラインの汚れであると考えました。このことは同時代のパストゥ−ルやコッホと言った「微生物の狩人」と激しく対立するものでした。なぜなら彼らは病気の原因は細菌であると考えたからです。 細菌VS環境の論争はそれから100年以上経った現在でも西洋・近代医学(抗生物質)VS自然療法(養生)という形で続いています。 晩年になってベルナールは世の天才にありがちな波乱の人生を送るのですが、医学の領域に「環境」をテーマに掲げたことは大きな功績であったと思います。 #
by yashihas
| 2007-04-13 21:59
| エコロジカルメディスン
林 真一郎
グリーンフラスコ代表 釣キチの祖父の影響で3歳で沖に出る。中学・高校は海洋研究同好会に所属。お酒よりも紅茶とケーキの世界が好きで喫茶技術を探求し、ハーブティーに出会って現在に至る。心の病いや老人病では薬よりも環境調整の方が効果が高いと確信している。 #
by yashihaS
| 2007-04-13 21:59
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